「PLCを勉強したいけど、何から始めればいいのかわからない…」
そんな初心者の方に向けて、この記事ではPLCの勉強方法をステップ形式でわかりやすく解説します。
PLCの基本構造から学び始め、ラダー図の理解、実践的な制御回路の構築まで、目的に応じて最適な学習ステップがあります。
この記事が、独学・スクール・実機学習など、自分に合った方法を見つける参考になれば幸いです。

もくじ
PLCを学ぶなら、正しい教材選びが大切
PLCを効率よく学ぶには、正しい学習ステップと信頼できる教材を選ぶことが大切です。
特に初心者の方には、次の入門書が最初の1冊としておすすめです。
✅ 初心者におすすめのPLC入門書はこちら
正しい教材選びが大切な理由
PLCは独学でも学習できますが、基礎を飛ばして応用に進むと理解が断片的になり、現場で使えるスキルにつながりません。
だからこそ、体系立てて学べる教材を活用することが、挫折せずに習得する近道になります。
例えば「GX Works2」を使った入門書では、ラダー命令を基礎から順に学びつつ、実際にシミュレーションで動かせるので、
- 「読んで理解 → 手を動かして定着」
がスムーズに進みます。
冒頭で説明したように、最初にしっかりとした教材を選べば、迷わず効率的に学習できます。
以下にPLCの勉強方法の具体例を紹介しますので、読み進めてください。
PLCとは?勉強を始める前に知っておきたい基礎知識
PLC(Programmable Logic Controller)は、産業機械や製造ラインの制御を担う小型コンピュータです。
あらかじめ設定したプログラムに従って、センサやモータ、ランプなどをON/OFF制御します。
一般的に使用されるプログラミング言語は「ラダー言語」と呼ばれ、電気回路図に似た形式のため、初学者でも直感的に理解しやすい特徴があります。
PLCの学習では、このラダー図を中心に「接点・コイルの意味」「直列・並列のつながり方」「タイマやカウンタ命令」などを段階的に習得していきます。
PLCについては以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

PLCの勉強方法|初心者におすすめの進め方とは?
初心者がPLCを学ぶ方法には大きく分けて以下の3つがあります。
独学(参考書・シミュレータを使った学習)
ラダーの基本命令や構文を参考書で学び、PC上のラダーシミュレータで実際に動作確認を行うスタイルです。
コストを抑えてマイペースに学びたい方に適しています。
「GX Works3シミュレータなどで始めるPLCプログラミング」については以下の記事で詳しく紹介しています。

スクールや講座の受講
カリキュラムが整っており、講師のサポートが受けられるため、短期間で体系的に学びたい方におすすめです。
演習課題や実機実習がある講座なら、より実践的な力が身につきます。
実機による学習
実際のPLCや入出力機器を使って、自分で回路を組み立て、制御を試す学習方法です。
就職・転職を視野に入れている方や、現場での対応力を高めたい方には非常に有効です。
PLC勉強の基本ステップ|効率的に学ぶには順番が重要!
勉強方法を選んだら、次は学ぶ順番を意識しましょう。おすすめの学習ステップは以下の通りです。
- ラダー図の構成要素を理解する(接点・コイル・直列・並列)
- 基本命令(LD・OUT・AND・ORなど)を覚える
- タイマやカウンタなど、応用命令の使い方を学ぶ
- 自己保持・フリップフロップ回路など、制御パターンを組んでみる
- 実際の制御シーンを想定した演習で力試し
「いきなり応用」に飛びつくとつまずきやすいため、まずは基本をしっかり固めることがPLC学習のコツです。
初心者向けPLC書籍おすすめ5選
ここからは、初心者がPLCについて学習する書籍を紹介しますので参考にしてください。
知識ゼロから楽しく学べる!PLCプログラミング入門
著者:でしまる|出版:Independently published|発売日: 2021/10/25
📖 ポイント
- 三菱電機製シーケンサとプログラミングツール(GX Works2)での実践を前提にした内容
- 回路図の見方からラダー図作成、自己保持やタイマの使い方まで網羅
- 練習問題や実習付きで、手を動かしながら学べる構成
💡 こんな人におすすめ
- PLCをまったく知らない文系出身者や新入社員
- 実際に動かしながら学びたいタイプの人
本書籍については、以下の記事でもレビューしていますので、ぜひ参照してください。

これだけ!シーケンス制御
著者:武永行正|出版:秀和システム|発売日:2014/12/26
📖 ポイント
- シーケンス制御の基本を家電などの例でやさしく解説
- リレーの使い方、自己保持、タイマ回路の基礎をわかりやすく説明
- 三菱電機製シーケンサを使用したラダー図の例も掲載
💡 こんな人におすすめ
- 電気の知識がほとんどない完全初心者
- シーケンス制御のイメージをつかみたい人
カラー徹底図解 基本からわかるシーケンス制御
監修:石橋正基|出版:ナツメ社|発売日:2018/4/13
📖 ポイント
- 回路図・シーケンス図・ラダー図をカラーで丁寧に解説
- 洗濯機や信号機など、身近な制御機器を題材に学べる
- タイマ・自己保持・優先制御など多数の実用回路を収録
💡 こんな人におすすめ
- イラストや図を見ながら直感的に理解したい人
- 制御盤設計や制御回路の仕組みに興味がある人
実践 PLCプログラム設計
著者:上 泰・三谷祐一朗|出版:科学情報出版|発売日:2023/9/25
📖 ポイント
- IEC 61131-3準拠のラダー設計、変数の使い方、構造体、周辺デバイスとの連携など中級内容
- 三菱電機製シーケンサへの直接対応はないが、汎用性のある設計手法が学べる
- バッファアドレス、チャタリング、電磁弁制御など実務向け解説も豊富
💡 こんな人におすすめ
- PLCの基礎を一通り学んだあと、設計力を強化したい人
- 三菱だけでなく他メーカー機器にも応用したい人
必携 シーケンス制御プログラム定石集
著者:熊谷英樹|出版:日刊工業新聞社|発売日:2003/8/1
📖 ポイント
- 実践現場でよく使われるラダー図の定石パターン50種類以上を掲載
- 各パターンに対応した回路図+ラダー図+動作説明+タイムチャート付き
- スタート・ストップ回路、自己保持、インターロックなど、現場ですぐに使える構成例を多数収録
💡 こんな人におすすめ
- ラダー図は理解したけど、「どんな場面でどう使うか」がわからないという人
- 実務を想定した回路設計の引き出しを増やしたい新人エンジニア
- GX Worksなどで自作ラダーを書く際のアイデア帳が欲しい人
✅ 特徴まとめ
- 実務の「お手本集」として使える1冊
- PLC教育の資料としても採用される定番書
- 現場経験が浅いエンジニアにとって、実装の引き出しを増やす最適な参考書
書籍の選び方のポイント
ポイント | チェックすべき内容 |
三菱PLC対応 | GX Worksの画面、命令コード例があるか |
説明のやさしさ | 図解、事例、初心者向け語り口 |
ラダー図の扱い | 実際の制御回路やプログラム例が豊富か |
実習・練習問題 | 自分で書いて動かす要素があるか |
PLC学習に関するFAQ
PLCとは何ですか?
PLC(Programmable Logic Controller) は、産業機械や製造ラインの制御に使われる小型のコンピュータです。
センサーからの情報を受けて、モーターやランプなどをプログラムに従ってON/OFF制御します。
主なプログラミング言語は「ラダー言語」で、電気回路図に似た形式のため、初心者でも直感的に理解しやすい特徴があります。
PLCの学習は、どのようなステップで進めるのが効果的ですか?
PLCの学習は、以下のステップで進めることが推奨されます。
- ラダー図の構成要素の理解:接点、コイル、直列・並列といった基本要素の理解
- 基本命令の習得:LD、OUT、AND、ORなどの基本的な命令の学習
- 応用命令の習得:タイマやカウンタといった応用的な命令の学習
- 制御パターンの構築:自己保持やフリップフロップ回路など、制御パターンを自分で組んで習得
- 実践的な演習:実際の制御シーンを想定した演習で、習得した知識を試す
いきなり応用に進むのではなく、まずは基本をしっかり固めることが重要です。
PLCの学習方法にはどのような選択肢がありますか?
PLCの学習方法には大きく分けて以下の3つがあります。
- 独学(参考書・シミュレータ):参考書でラダーの基本命令や構文を学び、PC上のラダーシミュレータで動作確認を行います。
コストを抑えてマイペースに学びたい方におすすめです。 - スクールや講座の受講:カリキュラムが整っており、講師のサポートを受けながら短期間で体系的に学べます。
演習課題や実機実習がある講座を選ぶと、より実践的な力が身につきます。 - 実機による学習:実際のPLCや入出力機器を使って、自分で回路を組み立て、制御を試す方法です。
就職・転職を目指す方や、現場での対応力を高めたい方に非常に有効です。
初心者におすすめのPLC関連書籍はありますか?
はい、初心者におすすめのPLC関連書籍がいくつかあります。
- 『知識ゼロから楽しく学べる!PLCプログラミング入門』:三菱電機製シーケンサとGX Works2での実践を前提とし、回路図の見方からラダー図作成、自己保持やタイマの使い方まで網羅しています。
- 『これだけ!シーケンス制御』:シーケンス制御の基本を家電などの身近な例で優しく解説し、リレーの使い方、自己保持、タイマ回路の基礎を分かりやすく説明しています。
- 『カラー徹底図解 基本からわかるシーケンス制御』:回路図・シーケンス図・ラダー図をカラーで丁寧に解説し、洗濯機や信号機など身近な制御機器を題材に学べます。
- 『実践 PLCプログラム設計』:PLCの基礎を学んだ後に設計力を強化したい人向けで、IEC 61131-3準拠のラダー設計、変数の使い方、周辺デバイスとの連携など中級内容を扱っています。
- 『必携 シーケンス制御プログラム定石集』: 実践現場でよく使われるラダー図の定石パターン50種類以上を掲載し、回路図、ラダー図、動作説明、タイムチャート付きで現場で役立つ構成例が豊富です。
書籍を選ぶ際のポイントは何ですか?
PLC関連の書籍を選ぶ際は、以下のポイントをチェックすると良いでしょう。
- 三菱PLC対応: GX Worksの画面や命令コード例があるか
- 説明の分かりやすさ: 図解や事例が豊富で、初心者向けの語り口であるか
- ラダー図の扱い: 実際の制御回路やプログラム例が豊富に掲載されているか
- 実習・練習問題: 自分でプログラムを書いて動かす要素が含まれているか
PLCの学習において、特に重要な「最初の壁」は何ですか?
PLCの学習において、最初の大きな壁となるのは「図を読めるようになること」です。
特に、ラダー図の構成要素(接点、コイル、直列、並列など)や、基本的な命令(LD、OUT、AND、ORなど)の意味とつながり方を理解することが、その後の学習の土台となります。
PLCの知識を現場で活かすためには、どのようにすれば良いですか?
書籍で得た知識を、現場で即戦力として活かすためには、実践的な経験が不可欠です。
具体的には、GX Worksのシミュレーション機能を使ってプログラムの動作確認を行ったり、可能であればトレーニング機材などの実機を使って実際に回路を組み立て、制御を試したりすることが非常に有効です。
シミュレーションや実機での実践を通じて、知識を体感として身につけることが重要です。
まとめ|最初の1冊を読み切って、現場に強くなろう
PLCは「図を読めるようになること」が最初の壁です。
今回ご紹介した書籍を活用すれば、三菱電機製シーケンサの基本やラダー図の読み方を体系的に学べます。
👉 まずは1冊、自分に合った本から読み始めてみましょう。
👉 書籍で得た知識を、GX Worksのシミュレーションやトレーニング機材で実践できれば、現場でも即戦力になります!