実機レス学習環境|GX Works3シミュレータなどで始めるPLCプログラミング

はじめに|PLCは“実物”がなくても学べる

PLCの学習というと、実機(シーケンサ本体)や制御盤、スイッチ・ランプなどの機材が必要だと思われがちです。

ですが現在は、三菱電機が提供する「GX Works3」などの開発ツールを使えば、実機なしでも本格的な学習が可能です。

この記事では、GX Works3のシミュレータ機能を中心に、初心者が実機レスで学べる環境とツールを紹介します。

GX Works3とは?|三菱電機製シーケンサの開発ツール

GX Works3は、三菱電機製シーケンサ「MELSEC iQ-R」「iQ-F」シリーズに対応した統合開発環境です。

主な特徴

  • ラダー図やST(構造化テキスト)などIEC準拠の言語で編集可能
  • ユーザーインターフェイスが直感的で、ブロック機能・ラベルベース変数も使いやすい
  • シミュレーション機能を使えば、PLC本体がなくてもプログラム動作を仮想的に実行できる

💡初心者にも扱いやすく、企業や職業訓練校でも導入されています。

GX Works3のシミュレータ機能|実機なしで動作確認できる

GX Works3には「シミュレータ機能(仮想PLC)」が標準搭載されています。(製品版/体験版でも可)

できること

  • ラダープログラムの作成・編集・書き込み・モニタ
  • 入出力信号(X/Y)や内部デバイスのON/OFFを仮想的に操作
  • タイマやカウンタの実際の動作と同じ流れでステップ実行

🛠 プログラムを動かして試行錯誤できるため、試験的なプログラム作成や学習教材との併用にも最適です。

実機レス学習に必要なもの|導入手順

必要な環境

  • Windowsパソコン(8GB以上推奨)
  • GX Works3(体験版もあり)
  • 学習教材(書籍・PDF・オンライン講座など)

無料体験版の入手方法

三菱電機の公式サイトから「MELSOFT GX Works3 体験版」をダウンロード可能です。

製品版と同じ機能を、インストール後30日間体験できます。

ダウンロードページ

実機レス学習のメリットと注意点

メリット

  • 高価な実機や制御盤がなくても学習を始められる
  • トラブルを恐れずに試行錯誤できる
  • 教材や参考書と並行して、効率よく“書いて試す”学習ができる

注意点

  • 入出力信号は仮想操作のため、実配線との連携やノイズ対策などの理解は別途必要
  • 実機との通信(RS-485/Ethernet)を学ぶには別途ハードウェアが必要

その他の学習支援ツール

ツール名概要備考
GX Simulator3GX Works3内のシミュレータiQ-R/iQ-F対応。入出力も仮想制御可能
教育用PLC学習機材三菱電機や他社が販売。ランプ・スイッチ付きで体感的学習に◎有償。職業訓練校・高専向け

まとめ|まずはGX Works3で“動かす体験”を

PLCの学習は、「動作を確認しながら書く」ことで理解が深まります。

GX Works3を使えば、最初のハードルである「機材をそろえる」手間を減らし、実践に近い学習をスタートできます。

📘 書籍と組み合わせて学ぶのも効果的。
📥 まずは体験版を導入して、自分のペースで学習を始めてみましょう!

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しーけん師匠

「しーけん師匠」こと当サイト運営者は、制御エンジニア歴35年以上。三菱電機製シーケンサや産業ネットワークを中心に、現場からIT/OTの連携まで幅広く対応。若手に制御エンジニアの魅力を伝え、業界の活性化と人材不足の解消を目指して情報を発信中。

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