シーケンス制御技能士の実技課題の具体例と攻略法|合格する人の練習法とは?

シーケンス制御技能士の試験は、学科試験と実技試験に分かれていますが、多くの受験者が苦労するのが「実技試験」です。

この記事では、実際に出題される課題の例やラダー図作成のコツ、そして合格に近づくための練習方法を詳しく紹介します。

実技試験とは?「計画立案等作業試験」の意味

実技試験は正式には「計画立案等作業試験」と呼ばれ、以下のような作業が求められます。

  • タイムチャートの読み取り
  • I/O(入力・出力)機器の選定と配線
  • ラダープログラムの作成とデバッグ
  • 実機での動作確認

単にラダー図を書く力だけでなく、タイムチャートから仕様を読み解く力、配線やプログラムミスを修正する力も問われます。

よく出る課題パターン(課題1〜3)

実技試験では、レベルに応じて1〜3つの課題が出題されます。以下は、よくある出題例です。

課題1:基本的な出力制御(スタート→ON/OFF)

  • 出題例:「スタートSWを押すとランプが点灯、もう一度押すと消灯」
  • 使用命令:自己保持(SET/RES)、フリップフロップ(M接点利用)

課題2:時間制御+切替動作

  • 出題例:「押しボタンを押すと5秒後にモーターが起動し、10秒後に停止」
  • 使用命令:TON(ONディレイタイマ)、オルタネート回路

課題3:応用動作(複数条件・出力の組み合わせ)

  • 出題例:「押しボタン1でA出力、押しボタン2でB出力、どちらかがON中は他方が動作しない」
  • 注意点:二重出力の禁止、インターロックの理解が重要

タイムチャートの読み取り方

課題では「タイムチャート」が提示され、時間軸に沿って各信号の状態が変化していきます。

読み取りのポイント

  • 立ち上がり・立ち下がりのトリガーとなる操作を特定する
  • 入力(X)の状態と、それに伴う出力(Y)の動きを時系列で追う
  • リセット条件や、再スタートの条件を見落とさない

合格者が実践するラダー作成の手順

ただラダーを書くのではなく、「動作を満たすために必要な論理を、段階的に整理して書く」力が重要です。

ステップごとの作成フロー

  1. タイムチャート確認:条件を読み取り、動作の流れを把握
  2. I/Oの整理:必要な入力(X)と出力(Y)をリスト化
  3. 定石回路の適用:自己保持・オルタネートなどの既存パターンを当てはめる
  4. 仮組み→試運転→修正:試験時間内に再調整する余裕を確保

実技試験の練習方法

合格するためには「本番と同じ環境で練習する」ことが鍵です。

練習環境の整備

  • PLCと検定用盤を用意
     三菱製FXシリーズやオムロン製CP1Eなどが主流。中古や教育用セットも流通しています。
  • プログラミングソフトの準備
     GX Works2/3、CX-OneなどをノートPCに導入。ハンディパネルよりPC操作に慣れておくのが理想です。
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スキルアップのためのポイント

  • 配線作業は反復練習を:時間を測りながら配線してみる
  • 模擬試験の実施:60分制限でタイムチャート→配線→プログラム作成を通して練習
  • ミスの振り返り:動作しない理由を記録し、次回に活かす
  • 二重出力の防止:ラダー図完成後は必ずON条件を整理して確認!

おすすめの教材・書籍

シーケンス制御技能士の合格を目指すうえで役立つ教材を紹介します。

  • 旧制度に準拠しながらも新制度にも対応
  • 技能検定 電気機器組立て(シーケンス制御作業) 1級から3級までをわかりやすく解説!
  • 過去に出題された問題を分析し、合格するためのノウハウを解説!

まとめ

実技試験は「やってみないとわからない」ことが多く、座学だけでは対策が難しいのが特徴です。

だからこそ、タイムチャートの読み方やラダー図の定石パターン、配線の習熟まで、繰り返し練習することが合格への最短ルートです。

「わかる」から「できる」へ

実践力を高めて、シーケンス制御技能士の合格をつかみましょう!

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しーけん師匠

「しーけん師匠」こと当サイト運営者は、制御エンジニア歴35年以上。三菱電機製シーケンサや産業ネットワークを中心に、現場からIT/OTの連携まで幅広く対応。若手に制御エンジニアの魅力を伝え、業界の活性化と人材不足の解消を目指して情報を発信中。

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