PLCとリレー制御の違い|はじめての人でもわかる基礎知識

工場や設備を自動で動かす方法には「リレー制御」と「PLC制御」があります。

どちらも「スイッチを押したらモーターが回る」といった動きを実現しますが、仕組みや使い勝手は大きく違います。

この記事では、はじめての方でもわかりやすいように、リレー制御とPLCの違いを整理して解説します。

リレー制御とは?

リレー制御は、電気スイッチの一種である「リレー」を組み合わせて動きを作る方法です。

  • リレー … 電気が流れると「カチッ」と接点が切り替わる部品
  • 使い方 … スイッチやセンサーの信号をリレーに流して、モーターやランプを動かす

🔧 イメージとしては「電気のレゴブロック」を組み合わせて機械を動かしている感じです。

特徴

  • 回路は配線で物理的に作る
  • 動作を変えるときは配線をやり直す必要がある
  • 部品は機械的に動くので摩耗や寿命がある

PLCとは?

PLC(ピーエルシー)は「プログラマブルロジックコントローラ」の略で、リレー制御を電子的にまとめたコンピュータのような装置です。

  • スイッチやセンサーの信号をPLCに入力
  • PLCの中にあるプログラムに従って処理
  • モーターやランプへの信号を出力

💻 イメージとしては「配線の代わりにソフトで操作するリレー箱」です。

特徴

  • プログラムで動きを決められる
  • 回路を変えるときも配線をいじらずにソフトを書き換えるだけ
  • 部品が摩耗しないので長持ちで安定
  • 複雑な制御や通信もできる

リレー制御とPLCの違いを簡単に比較

項目リレー制御PLC
制御の仕組み部品(リレー)を配線でつなぐプログラムで動きを決める
変更方法配線をやり直すソフトを書き換える
規模小さい制御に向く複雑・大きい制御に対応
寿命機械的接点が摩耗する電子的処理で長寿命

メリットとデメリット

リレー制御

  • メリット
    • 仕組みがシンプルで直感的にわかりやすい
    • 部品代が安いので小規模ならコストが低い
  • デメリット
    • 配線が複雑になると管理が大変
    • 回路を変えるたびに配線工事が必要

PLC

  • メリット
    • 回路変更がラク(ソフトで対応)
    • 大規模でもスッキリ管理できる
    • タイマーやカウンタなど便利な機能が最初から使える
  • デメリット
    • 本体価格はリレーより高い
    • プログラムの知識が必要

まとめ

  • リレー制御は「配線で作るアナログな仕組み」
  • PLCは「プログラムで作るデジタルな仕組み」

昔はリレー制御が主流でしたが、今はほとんどの工場でPLCが使われています。

ただし、小規模で単純な制御ならリレー制御もまだ現役です。

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しーけん師匠

「しーけん師匠」こと当サイト運営者は、制御エンジニア歴35年以上。三菱電機製シーケンサや産業ネットワークを中心に、現場からIT/OTの連携まで幅広く対応。若手に制御エンジニアの魅力を伝え、業界の活性化と人材不足の解消を目指して情報を発信中。

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