MELSECデバイス入門|初心者がまず覚える種類と使い方

デバイスとは?

三菱電機製シーケンサ「MELSEC」でよく登場する言葉に「デバイス」があります。

デバイスとは、PLCが入力や出力、内部処理、データ保持に使う記憶領域の名称です。

ラダー図では、センサやスイッチを「X」、モータやランプを「Y」、内部メモリを「M」や「D」といったデバイスで表します。

入門編:初心者がまず覚える主要デバイス

デバイスの関係イメージ

[センサ・スイッチ] → X (入力リレー) → PLC内部処理 (M/L/D) → Y (出力リレー) → [モータ・ランプ]

👉 現場の入力は X、出力は Y、その間をつなぐのが M/L/D/T/C です。

デバイス一覧(基本編)

デバイス種類主な役割
X入力リレーセンサやスイッチなど外部入力を取り込むX0: スタートスイッチ
Y出力リレーランプやモータなど外部出力を駆動Y20: モータ起動
M内部リレーPLC内部で使う補助リレー。フラグや一時記憶に利用M100: 自己保持用
Lラッチリレー電源OFF後も状態を保持できる内部リレーL0: 電源再投入後も保持
Dデータレジスタ数値や演算結果を格納(ワード単位で使用)D0: 加算結果
Tタイマ時間計測・遅延動作の制御に利用T0: 5秒タイマ
Cカウンタ回数を数える制御に利用C0: 製品個数カウント

発展編:システム連携で使うデバイス

ネットワーク通信とデバイスの役割

PLC① ── B/Wデバイス ── PLC②

   │                       │

   │                       │

   └─── Wデバイス ─── 上位PC・タッチパネル

👉 B = リンクリレー(ビット)W = リンクレジスタ(ワード) を使って、PLC同士や上位機器とデータを共有します。

デバイス一覧(発展編)

デバイス種類主な役割
Bリンクリレーネットワーク経由で他機器とビット情報を共有B100: 他PLCとのON/OFF同期
Wリンクレジスタネットワーク経由で数値データを共有W200: 上位PCとのデータ交換
Rファイルレジスタ大容量のワード領域。レシピやログ管理に利用R100: レシピデータ

学び方のステップ

  1. 入門編(X/Y/M/L/D/T/C) を理解してラダー図の基本を読めるようにする
  2. 通信や上位システムと関わる場面で B/W を学ぶ
  3. 大規模システムやレシピ管理が必要になったら R を活用する

まとめ

  • MELSECの「デバイス」は、入力・出力・内部処理・データ保持を表す仕組み
  • 入門編では X/Y/M/L/D/T/C を理解すれば、ラダー図の基本がわかる
  • 発展編では B/W/R を知ることで、ネットワーク通信や大容量データ管理に対応できる
  • 学習は「基本 → 発展」の順で進めるのが効率的
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しーけん師匠

「しーけん師匠」こと当サイト運営者は、制御エンジニア歴35年以上。三菱電機製シーケンサや産業ネットワークを中心に、現場からIT/OTの連携まで幅広く対応。若手に制御エンジニアの魅力を伝え、業界の活性化と人材不足の解消を目指して情報を発信中。

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